佳子のこと、そのまわりを

01/01/1970

佳子とは前回いつ会ったんだろう?
2年前?1年半かな。夏休みだったから1年半か2年半か、そのくらい前。
ふたりして版画を見て『海のふた』を買った時だっけ?もう一度そのあとカフェでさよと3人で会った年があったんだっけ?

ふわふわと迷っていた部分がばつんと切り離されたかんじ。前の佳子はそのそぞろさが、遠い港の明かりのようにちらちらしていた。
たぶんそれは払拭されているんじゃないかなと何となく思っていたら、みごとに。
でもそれが手元から離れても、まったく影もかたちもなくなって消えるわけではないんだな。
いつまでもその面影は、ついてくる子供のようにぐずる。
といってもそれはいけないことじゃないし、ひとってそういうものだなぁと思う。
それに何だかわたしにとってはやっぱりいた、と見つけたようで嬉しかったし。

佳子のブーツを買いに入ったお店で「姉妹ですか?」と訊かれた。
ふたりでおなじものを試したから、というのが一番の理由なんだけど、やはりわたしたちは何かが似ているんだなぁと思う。
もう似ていないんじゃないかと思ったけれど。
なんだろう。
芯の色と、いちばん外側の色が少し似ている気はする。でも皮膚の近くの多くを覆っている色はちょっと質が違う。
わたしたちがお互いを似ているねと思う根拠はその芯のことだし、初対面のひとに似ているねと言われるのはいちばん外の色のせいなんだろう。

もっと話したかったな。
あちこちから温めてくにゃくにゃにしたかった。


わたしたちダンサーはいつもぽつんと踏張って風にさらされている感じがする。
だから遠くから手を振っているのを見れば手を振り返せるし、歩いていって暖かいコーヒーを一緒に飲むこともできるんだけど。


ちゃんと立っていたいなあ。
踊っていたいのはもちろんそのためじゃないけれど、でも支えてくれるちからの多くの背後にその風景があるかもしれない。