* 『Migrate』初日

11/15/2008


初日が終わりました。

新国立劇場にカンヅメになっていた夏をずっと引きずったまま11月を迎え、冬になろうとしている。
そんなウラシマタロウのままいつまでも深く潜ってゆくことができないでいた今回だったが、やっと会場に入ってからそれぞれのパーツを咀嚼できる気持ちになったのではないかと思う。

このAAPAのつくり出したいものが“場所”にどこか繋がっていることを考えれば、実際踊る空間を感じてやっと感触を手に入れるというのは、あながち手遅れではないかなとも思う。思うけれど、やっぱり遅いなあ。
進み出したのはやはり、自分で掘り下げていかなきゃいけないんだと自覚したとき。
私の方法で作品の側を自分に引き寄せてしまうのはもしかしたら作品にとってよくないかもしれないし、私自身にとっても積極的でない気がして躊躇していた。
せっかく自分とは方法の違うつくりかたをする振付家に接しているんだから、わざわざそれを自分の分かることばに安易に翻訳してはもったいないと思った。それではいつまでも自分から脱することができなくなってしまうかもしれないし。
でもやはり知らないことばをからだに貼り付けているだけではふと疑問に足が止まってしまう。
私なりの方法で繋げてゆき、ひらべったかった理解を遠くまで拡散させてみる。
遊ばせて、眺めて、寄り道で発見して、ひょいひょいと釣り上げてみる。
ほら、繋がった。
違うものには(おそらく)なってない。ちゃんとそこに還ってきている。

音響さん。
環境音から懐メロまでをもあやつるDJさん。
今回のちょっとリンチみたいなディレイがかかった音もおもしろかった。

この作品はAAPAが夏に岐阜の森にいってそこから受けたことをもとに作られている。
人間の都合でつくられ放置された森を整えようとしている方たちが、今回の舞台を支えて下さっている。
舞台終了後のトークセッションではこういった森のお話が聞ける。
写真はヒノキのチップ。
すごくいいにおいがする。
お客さんにお配りしている。
あと、荒川の水と岐阜の山奥の川の水のかおりを嗅ぎ比べてもらえるように、展示もある。

このテーブルは建築家の方が作ってくださった。
丸い穴に植物をいれたりしているせいか、直線と円のデザインなのに有機的に見える。