* おんぶ

11/08/2008


あまり、おんぶの思い出がない。
してもらったに違いないのに覚えていない。

とてもよく覚えているのはまだ弟が小さかった頃鹿児島のおばあちゃんのうちに行ったとき、ついでに桜島に行ったこと。
桜島に行く船か、港の近くのおおきなショッピングセンターか…とにかくそういう感じの場所の裏口のベンチで父の膝枕で眠ったことをよく覚えている。
何故なら、起きてみたら父のジーパンによだれがでっかくひろがっていたから。
あんなによだれが出るほど、美味しい夢だったんだっけ。

おんぶじゃなくてよく覚えているのは自転車の後ろに乗せてもらったこと。
ある時きゅうに全部を母に任せようと思った。
前の何かにぶつかることやカーブを曲がるときに体重をできるだけ軽くしようと思うことをやめて、ただぜーんぶ、からだの力を完全に抜いて任せちゃおう、と。
そして目だけ、きょろきょろした。

葉っぱの裏が透けていてびしびしと漏れた陽の光が顔をたたく。
ざあっと顔に髪がかかってもぬぐわない。
予期せぬたて揺れ。
勝手に流れてゆく地面。

音は思い出せない。
映像だけ。
付属の音は今そこから作り出された贋の音だ。