* やっとトゥーランドットを観ました

01/03/2009


冬休みがもうあと2日しかないなんて信じられない。
友達たちと念願のもんじゃ焼きを食べに月島まで行ったり、ラーメンズビデオ鑑賞会をしたり、お泊り会&お料理教室だったり、そっか。楽しいことたくさんしてるか。

その合間に録りためたビデオをいくつか見た。
イタリアのドロミテに行きたくなった。
サトゥルニア温泉に行きたくなった。

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10月に出演した『トゥーランドット』の録画もやっと見ました。

オペラの稽古は出演者も多いので分かれて稽古を進めてゆく。
私たちダンサーは裏で待機したり着替えたりする時間が多かったので正面から芝居の全体像を見ることはできなかった。イタリア語で歌われているから細かいセリフがどんなふうに語られているのかも分からないし。
もちろん演出や助演の方が内容についてはお話をしてくれるし、私たちも把握もせずに出演したわけではない。
が、放送を見て初めて演出の意図がわかった部分があったり、ストーリーやキャラクターのほんとうの色を受け取れたような気がする。

普通のトゥーランドットとはかなり変わった演出ではあったみたいだけれど、すごく面白かった。
ブロックハウスさん、やっぱりすごいかも。
普通トゥーランドットにはダンサーはあまり出てこないと思うのだけれど、私たちダンサーは“道化師が始める劇中劇”を説得力あるものにするに十分な、ほんの少しの場違いセクシーとお人形みたいなキッチュさをところどころに添えていた。…とも言える。
(…ほんとうのところダンサーは必要だったのか?と思わなくもないけれど、まあ、でも私たちが演じながら疑問に思っていたほどには浮いてなかったよ。みんな。)
あれはあれで、おもちゃ箱から出てきたパーツのひとつのように、あの情景になじんでいた。
そしてそれがブロックハウスさんの意図だったのだと思う。

稽古をつけてもらったり客観的に観ているときには大雑把だなあという印象だったのだけれど(性格がとかじゃなくてオペラってざっくりしてるなと思ったけど、ということ)、実際作品になってみると実に滑らかに繋がっていて、素直に感覚に入ってきた。
最初出演者に楽譜(お芝居で言うところの脚本)を渡して中国の昔話に連れてゆく…というところから幕間を全て緞帳なしでやったところ、そしてリューの死で突然また主人公はイタリアの舞台に帰るのにセリフだけは物語を引きずってゆく…というこの構成は見事だと思った。
ブロックハウスさんがぜひともこの作品に込めたかったことが今更ながらに分かった気がする。
プッチーニと奥さん、そして無実の罪を着せられて自殺をしたメイドの女の子。
愛に溢れる向こう見ずなカラフと人を信じないトゥーランドット、カラフの想いをつなげるために命を絶つリュー。
場面の転換と物語の転換が等しくないことでこういう面白さが出るのか、と感心してしまった。
すごくお客さんの感覚や想像力に負う演出かもしれないけれど、多分そういうことがしたかったんだろう。

裏からしか聴いていなかったけれど私たちはずっと鳥肌をたてていたくらい歌はすばらしかった。
けれどビデオで見たら自分が想像していた以上に細やかなお話であり、繊細な演技があった。
裏で待ちながら聴いていたことや袖から横顔を見つめていたことも一緒くたに思い出されて、胸がいっぱいになった。
リュー役の浜田理恵さんはやっぱり素晴らしいし。
「どうして私にそんなにつくしてくれるのか?」という問いに対しての答えが素敵だった。「それはあなたがある日私にほほえんでくださったからです」
そんなセリフだったのか、あのメロディーは。←勉強不足
トゥーランドットも氷の王女としての強さや冷たさよりも、その内の揺れをいっぱいに含んだ演技がよかった。傷ついた鳥みたいに愛に戸惑う表情がすてきだった。
それから、プーティンパオ(首切り役人)の竹ちゃん、すごく素敵だったよぉー!
あの役を女性にして、しかも竹ちゃんが演じたことがとても面白い色合いを作品に与えていたと思う。残酷だけれどなまめかしくて魅力的。強さとしなやかさ。威圧感や、獣みたいな体温とか。ぞくぞく。

再演が楽しみ。いつになるのか、日本でやるのかもわからないけれど。

ちなみに、この放送はまたNHKで再放送されるそうです。
今度は多分デジタル放送じゃないと思う。
わかったらお知らせするのでよかったら見てください。
オペラを好きな人も、あまり馴染みのない人も楽しめる作品だったと思います。

(写真は出演者と、振付のマリア・クリスティーナと、道化師のジャン。
ジャンは本当にローマで大道芸人をしていた生粋のクラウンなんだけど、ブロックハウスさんにスカウトされて今は一緒に仕事をしているんだって。
ジャンはいっつも小さな爆発してる太陽みたいに明るくて、私たちを笑わせてくれた。
私の拙い英語も一生懸命聞いてくれて、一緒に金木犀のかおりをかいだっけ。
懐かしい。
ちなみにこの写真は初日。
この日でブロックハウスさんはイタリアへ帰ってしまったのだ。
演出家が途中でいなくなる舞台って私は踏んだことがなかったからそういうもんなの~~?!ってすごくびっくりした。)

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いろんな用事が終わらなくて私は一日遅れて明日おばあちゃんちへ。
いとこが赤ちゃんを連れてくる。
半年前は幼虫みたいだったけれどもうどこにでも這っていっちゃうんだって。
つかまえたりいじったりするのがたのしみ。