頭蓋骨のなかの気圧、ポケットのなかの鍵

05/07/2009


朝起きてからずっと、右耳がおかしい。
頭がおおきなドラム缶になったみたいに色んな音がくぐもって響いて聞こえる。
ずっと空気の音が聞こえている。
外と中との気圧がちがうみたい。
でもあくびをしても空気を抜こうとしても変わらない。
水が入ったような覚えもないし、おととい耳掻きをしたけど痛くなるまでしたわけじゃないし、なんだろう。

でも私にとって耳が聞こえづらいことは目が見えづらいことよりももしかしたら気が楽かもしれないという気がする。
もともとあまり耳の聞こえはよくない。
多分機能としてはそんなに低くないんじゃないかと思うけれど脳に直結していないみたい。
目や他の感触の情報と一緒じゃないと、耳からの情報が処理しにくい。
電話にはとても集中力を要する。
声を見よう見ようとして目も疲れる。
ふっつり集中力が途切れるともうことばはただ耳に意味をなさないまま氾濫して、ただ目の前で積もってゆく。
新種の蟻が這っているみたいな感じ。
音楽を聴くことはまた別だと思っている。そこには必ず色と温度が伴うから。
けれどもしかしたら実際は音感も鈍いところがあるのかもしれない。

耳がおかしいからもしかして頭の方も変だろうかと触っていたら、私のおでこってこんな形の骨が埋まっているんだという発見をした。
耳がおかしいだけで触られる感触も指への感触もまるで違う。
ちょっとひとのおでこみたい。
面白い。
今自分の右半身がちょっと客観的な気がする。
このところたぶん私のからだと意識が繋がっている部分というのは劇的に揺さぶりを受けている。いい意味で。
だからその反応かもしれない。
でももし単純に中耳炎とかだったら困るから明日も変だったら診てもらおうと思う。
病院には縁がなかったのに、この1年くらいで何度かお世話になっている。
なんだなんだ。

+

ズボンの右のポケットに鍵を入れておいてそれでコインロッカーか、借りた部屋から自分の荷物を取りに行くのを忘れないようにしないと、と考えている。
本を読んでいたらふとその感触がよみがえって、けれど実際そんな出来事はなかったと思う。
夢?
夢にしては鮮明な手触り。
おしりにかかっている上着の上からズボンのポケットの中の鍵のかたちをなぞった感触はまだ指に残っている。