百瀬陽子さん個展、美術館のこと補足

09/10/2010

美術館にいってひとつひとつ作品を見ていても他の記憶があたまをもたげていつもその作品そのものへの感覚にどっぷり漬かることができない。
こころを動かされないということではなくて、きっとその時の感触はいつかのちになってよみがえる。
口に入れた瞬間のおいしさはわからなくて、反芻してやっと味わってみる、という変な癖があるみたい。
絵や写真をみながらいろんなことを考えたり思い出したりしていた。
ケルテスのこの写真はこんなに小さかったのねとか、自分が好むものは輪郭線が太いかぼやけているかなんだなということとか、ずっと見たかったモランディを見られたことも収穫のひとつ。
「光と影」というようなテーマをたてて作品をピックアップするという方法は何か入り口にはなりうるけれど深まってゆかない歯がゆさみたいなものを感じた。
もちろん、贅沢だなあとは思うんだけど。

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友人が高田馬場のBen's Barで個展をしているので会いにいった。
はじめて作品を見て、最初に会ったときに彼女から感じたことがよみがえってきた。
面白いなと思ったのはアクリル板の裏から描く方法を使った絵で、その透明感も素敵だったし、プロセスが層になって見えるというのはとても感覚的だなあという気がした。
普通の絵は最後に塗った部分が一番見えるのに、この方法では時間をさかのぼるから。
絵はたいてい出来あがった1枚の2次元みたいに見えるんだけれど、この作品の場合は時間がレイヤーになっていてその間に立ち止まる余白のようなものがある。
その後ろから光が入る。
絵同士を重ねてイメージを重ねることも。
いろんなヒントの種をもらった気がしてカフェに長居してたくさんノートをとってしまった。

とても素敵な展示でした。
カフェものんびりできるいい場所です。
お友達によるとサンドイッチが美味しいらしい。食べればよかったな。
高田馬場からゆっくり歩いて5分もかかりません。ぜひ。

●百瀬陽子個展
9/17(金)まで。
カフェは23:30までopen
■Ben's Bar