かにのこと

02/04/2011

近所の原田フードで水蟹が安かったのを買って来てくれた。
引っ繰り返しておなかの、バスケットのパッケージの差し込み口みたいなところをあけて、甲羅から身や足を剥がして、塩を入れたお湯で3分茹る。
かにってそういえば久しぶりに食べたけどとてもおいしかった。

生きているかにのおなかに指をかけたらかにが目やはさみを動かして、わたしの指をやめて欲しい、という感じで払った。
生きているのにからだの表面に指を入れて剥がされるなんてもしわたしだったらすごく痛いから、わたしもからだの表面がひりひりしてきて、ちょっとどうしていいかわからなくて、しばらくかにを元の姿勢に戻して目をじっと見た。
どうせ食べるんだからこんな風にほっとさせるべきじゃないんだろうなあと思うんだけど、おなかを触るとかにはまたうなるみたいにして身をよじるから、足とかはさみを撫でるんだけどそういう行動もよくわからないしたまらなくなって、だんだん鳩尾が苦しくなってどうしてもおなかに指を入れられなかった。
電車の中で赤ちゃんが泣いているとそのエネルギーみたいなものに捉えられてつられて涙が止まらなくなっちゃうみたいに、かにが嫌がっている様子もやっぱりどうしようもない感じが包んで、どうせ美味しいとか言いながら食べるくせにちゃんとそれまでのことができないなんていったいどれだけ甘やかされてきたんだろうと思うけど、そういうこととは別に、あのかにの叫ぶみたいなびりびりする感じはきっとかには痛みを感じないなんて嘘だと思う。

それにしてもかには美味しかったです。

かにが苦しんで死ぬのは悲しい。
でもかには美味しい。
このふたつはどちらもお互いに負けずに立っていられることなんだよな、それが当たり前だから生きていられる。