つばめの子

08/01/2011


横浜ヴァージンフェスのため大桟橋に行っていた。

お昼から戻ってきて入り口を入ろうとしたらしげみさんが足元にうずくまっている鳥をみつけた。
大桟橋の入り口は大きなくじらの口みたいになっていてそこが全部ガラス張りなのできっとぶつかって落ちたんだろうと思う。
踏まれたら困るからひとのいないところに移動させる。
鳥はてのひらにすっぽり入るくらい小さくて私の指をぎゅっとつかんできた。
羽根も足も怪我をしている様子はなくて、でも首をずっと左に向けて右目だけをときどき瞑っていたからもしかしてそういう方向でぶつかったのかもしれない。
でもそれ以外は特別息が荒いとかいう様子もなく、表情はどちらかというと不思議そうなかんじだった。
表情とくちばしの感じで、これはまだ子供の鳥だなあと思う。
全体的に黒くて表面だけ青光りしている。喉のあたりがすこしやわらかい茶になっていて、目は真っ黒。くちばしも黒い。
ちゅんのからだもなんて繊細にできているんだろうと感心して眺めるのだけど、それよりもっと小さいから不思議すぎた。
ちゅんは瞳のまわりの虹彩が薄い茶色なのだけれどこの小鳥は全部が真っ黒に見えて、のぞきこむ私たちを見返して目をくりくりさせていた。
イワツバメ、という名前がふと頭にうかんだけどツバメならもっとどこかが赤いはず…と思っていたら普通のツバメだったみたい。

元気そうだけど逃げる気配も見せない。
水も飲まないしもちろんパンも食べない(ツバメだから)。
ぶつかったショックでしばらくじっとしていたいのか(鳥は弱っていても弱っているようには見せないから)、それとも親が近くにいない以上、こうして動かないのが習性なのかもしれない。
鳴いてくれたり飛んでくれたらいいのに、と思ったけど落ち着いてしまって、羽根の中に顔を入れて眠ろうとするのでやっぱり寒いんじゃないかと心配になった。

鳥獣保護センターに電話をしたら最寄の動物園に連れて行けば保護してもらえますよ、と教えていただいたけれどもう本番2時間前だったのでそういうわけにもいかず、いたずらに保護して仲間のところに帰るチャンスを奪ってしまうものいけないし、結局お母さんや仲間が見つけやすい場所に置いておいた。
フェスの受付のひとに遠くからなんとなく見守ってもらえるようお願いしつつ。


結局、小鳥はいつのまにかどこかにいなくなっていた。
お母さんが迎えにきたのか、はっと気付いて飛び去ったのかわからないけど。

親切に色々教えてくださった鳥獣保護センターの方や、野毛山動物園の野鳥保護課のかた、ありがとうございました。
それから忙しい中小鳥を気にしてくださったフェスの受付の方々も。


実際のところあの小鳥がどうなったかわからないけれど、今ごろ仲間と一緒にいればいいなと思う。