灯りをおいかける

02/19/2012



テールランプが赤く連なっているのをきれいだね、という友だちのことばをこころの底では納得できずに頷いていた。
ひとが作ったものでも建物はかろうじてうつくしいと思えるのだけれどあの赤いランプの平べったさをうつくしいと受け取ったことがなくて、どうにかその変換をこころみようとしたけれどうまくいかなくて、ただ横にいて気持ちがすうすうした。
そんなに昔のことじゃない。
それなのに、今はそんな風に、ひとの手の加わっていないものだけがほんものの美しさを持っているような気がしていた自分からはずいぶん遠くにいる。

ひとを撮るひとがわたしの周りには多い。
そのひとたちを見ながら、話を聞きながら、わたしは少しずつくつがえされてゆく。
今まで空気に当てなかったところを内側から、そして古いものは練りこまれて、だんだんものを言わなくなってゆく。
けれどそのおいそれとは動けない今が、ただ心地の悪いものでは決してない。