It’s not a cry you can hear at night. It’s not somebody who’s seen the light.

03/05/2013

丁寧にプリエから、からだの芯は地球のまんなかまで踏んであとはどこまでも枝を伸ばす。
床は冷たくかたいけれど指先はやわらかに、ねこやなぎの先のように反発しない。
燃えるように満ちた幹のまま呼吸がほかの空気と混ざる、その先のように。
重力はすてきだ。
骨をたたせて関節をとらえてくれる。
肉のことを忘れられないことも、地面に釘付けにされていることを知りながら忘れることも、ひかりが肌にさざなみを寄せることも。
からだのなかで骨が少しずつ移動して噛み合い、隙間をあけてさっきとは程近い、けれど違う場所をさがしてゆらめく。
からだがわたしに感情をくれる。
それに染められて波立つ、好きなだけ燃えたらいいと放ち、握った糸をできるだけ遥かにのばしてあげる。
あんまり大切なことだから箱にしまってしまうことを少しずつほどいてざぶざぶと洗う。
生きることがあまりに長いからかなしいなんて嘘だ。わたしはいつも、いつまでもいつまでも続くことにこころをのばす。
永遠は握ることができないと知っている。包んでしまったらもうそれは色を失くして枯れてしまう。
ひかりに薄められた空のこちらに影のように、骨のように、凍った呼吸のように枝が伸びてその先端に鳥の巣が揺れていた。
なんて完璧なんだろう、と息がとまる。
うつくしさはただそこにあって、かき集めるものではない。
わたしの及ばないところにあるからわたしはこころをそこに向けるのだった。
今この空や枝を撮りたい、でも撮らない。だって動けないから。カメラを取りにいくよりも見つめていたい。微かな聲を踏み散らさずにいたい。
切るように飛行機がきらめいた。
うんと高いところ、遠いどこかに向かう飛行機をずっと目で追う。
おなかのなかや胸のなかが空みたいにひかりいっぱいで、どこまでも広いようなかんじがして、ぱりぱりと剥がれて、そうしてわたしは自分の望みを知る。