イワオアキフミさんの展示「Foundation.」をみました

09/18/2012

イワオくんの展示を観にsight boxへ。
まだ昨日はじまったばかりだからあまり感想を書くことでイメージを渡したくはないのだけれど、自分の感覚の整理のためにも、メモ。

感想を伝えるのはうまくない。
否応なしにこころを動かされたものほど、その動きに説明や分類を与えるのがむつかしいからだ。
なぜこんな気持ちになったんだろう?この状態は一体なんなんだろう?そういうことに対してわたしはいつまでも語ることばを持てない。
過去から近いものをひっぱってきてみる。もちろんそれでは説明は満ちないけれど、ただ並べて重ねてみる。大きな不定形のまま放っておく。全体に歯をあてて触りをあじわう。
漠としたかたちの衝動は、芯だけがたしかで、からだを包んだ空中全体に、ある。

イワオくんの写真は、まことにつつまれて、しずかだった。
自分のこころと目の前にある景色と、もしかしたらそれまでの時間とをじっと渡りあって、通常の呼吸でとらえている。
心臓が高鳴った刹那のことは忘れないのだけれど、はやったまま掴みにいかない。

舞台に出る前に、これはそれまでその作品に対して苦しんだ時ほどそうなのだけれど、直前まで焦りでぐしゃぐしゃでもがいてきたのにふと、心の波がひたとおさまって晴れ渡ることがある。
わたしはここにいていいのだという甘えではなくて、ここに根を張りたいのだ、ならば対等にいることでしか受け入れられないではないか、と視界が凪ぐ。
吹き払われたあとにからだが相応の実感を伴ってそこにあらわれる。

イワオくんの写真から、そんな彼のすがたを見たように感じた。
もちろん、ただわたしのこころに浮かんだことに過ぎないけれど。

それから外で煙草を吸いながら思い出していたのはアラーキーの、空のスライドのことかなあ。
似ているとかそういう単純なことではなくて、見据えるやりかた、距離の取り方に思い起こすものがあったのかもしれない。

舞台のことを書いていて気づいたのだけれど、イワオくんの写真を見てからsight boxのオーナーのとしさんに「佳央理さんなんだか今踊るからだだね」と言われたことと直に繋がった。
イワオくんの写真をみたからだとは自覚していたけど、そっか、だからだ。こんなにはっきりわかっていなかった。
それを見抜くとしさんはすごいな。
写真を見たあと良太くんもずっと歌っていた。彼にとってもそういうことだったのかもしれない。


とても好きになった写真があった。
好き、というか見た途端のどこかに流れ落ちてゆくようだった。少し怖いくらい。
多分この答えを単純なことばにしてみることも可能だ。分析して答え合わせをすることも。
でもそんなことしなくていい。
あの写真をもうしばらく見ていたい気がした。


たくさんの方が足を運んでくれるといいなと思います。
イラストも素敵なのです。描き方を聞いてびっくり。色の層がうつくしい。
イワオくんはアパートメントの入り口の絵も描いてくれているのです。


町田のsight boxギャラリーで30日まで開催しています。
作家のイワオくんは休日だけでなく平日も夜は在廊しています。
イワオくんのHPに詳細ありますのでご覧ください。